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江戸川乱歩著『D坂の殺人事件』の「冷しコーヒー」

今年は江戸川乱歩死後50年で著作権が切れ、青空文庫のアーカイブがはじまったのが切っ掛けで、なんとなく「D坂の殺人事件」を読みました。以前に紙の本も買って手元にありますので再読です。

話の筋とはぜんぜん関係ありませんけれど、冒頭に出てくる「冷しコーヒー」という言葉が少し気になりました。2016年現在はもちろん「アイスコーヒー」が一般的ですし、耳慣れませんが、アイスより冷やしの方が語感がまろやかで心地いいような気がします。

以下、冒頭を少し引用

それは九月初旬のある蒸し暑い晩のことであった。私は、D坂の大通りの中程にある、白梅軒という、行きつけのカフェで、冷しコーヒーを啜っていた。当時私は、学校を出たばかりで、まだこれという職業もなく、下宿屋にゴロゴロして本でも読んでいるか、それに飽ると、当てどもなく散歩に出て、あまり費用のかからぬカフェ廻りをやる位が、毎日の日課だった。

江戸川乱歩著『D坂の殺人事件』の「冷しコーヒー」 江戸川乱歩著『D坂の殺人事件』の「冷しコーヒー」 Reviewed by 黒谷知也 on 3/06/2016 Rating: 5